友達について。

「私気づいたの、ホームパーティーを開くことなんかちっとも好きじゃない人間なんだって、ずっと自分はホームパーティーをしたいひとだと思ってた~(ヘラヘラ)」

そりゃそうだろう、10年近く付き合ってるが、貴女が家に友達を呼んだ話なんぞ聞いたことがない。教えてあげなくちゃ、ホームパーティーを開くことなんかちっとも好きじゃない人間じゃなくて、ホームパーティーが好きなひとだと勘違いできるひとだということを。

 

「なんか今日暑いね~(ヘラヘラ)」

いつぞや雪そぼ降る極寒の日にお会いしましたね。教えてあげなくちゃ、貴女が着ていたのは「ジャケット風コート」でありその上に着ていたのがさらにコートであることを。

 

「え~クラブ~?いってみた~い(ヘラヘラ)」

教えてあげなくちゃ、浮きまくるであろうことを。

 

「個展おめでとう!今から急いで表参道でお菓子かって行きます!(マンマン)」

教えてあげなくちゃ、もう間に合わない時間だということを。

 

「すごくいやな上司がいてね~(フンフンフン)」

教えてあげなくちゃ、そんなに怒るほどの上司でもないことを。

 

「私のゆびがきれいだってゆうの~(フガフガ)」

教えてあげなくちゃ、男に簡単に騙されて浮かれていることを。

 

教えてあげなくちゃ、貴女が妹達を守った過去を。

教えてあげなくちゃ、貴女が父を母を許した子供だということを。

教えてあげなくちゃ、貴女がボインだということを。

教えてあげなくちゃ、社会的勝者であることを。

みんなに愛される汎用であることを。

世界が愛してやまないのは、ビートルズでもないしロックンロールでもないし、

貴女だということを。